かがやきインタビュー(増田光広さん)

◆こんにちは。
◆かがやき手話ニュース担当のわたなべたかこです。
◆手話ではこう表します。
◆よろしくお願いします。
☆よろしくお願いします。
◆今日は、スカイダイビングのダイバーとして活躍されている増田光広さんに来て頂きました。
◆いろいろインタビューしたいと思います。
◆よろしくお願いします。
☆よろしくお願いします。

◆まず自己紹介とスカイダイビング歴をお話して頂きたいと思います。
◆お願いします。
☆私は25歳の時にスカイダイビングを始め、以来13年間やってきました。
◆いつから始めたんですか。
☆1995年からですね。
◆スカイダイビングで空を飛んだ回数は、どのぐらいになるのでしょうか。
☆1200回ですね。
◆多いですね。
◆1年間だと、どのぐらいになるんですか。
☆ふつうはだいたい170回ぐらいですね。
◆本当に多いんですね〜。
◆スカイダイビングを始めたきっかけは何ですか。
☆小2の時、テレビでスカイダイビングを見て、面白そうだと興味を持ったのです。
☆いつか、大人になったらやるぞ!と思っていました。
◆実際に経験したのは23歳の時ですか。
☆いや、22歳の時ですね。
◆その時に初めて経験されたんですよね。
◆その時の気持ちはどうでしたか。
☆22歳の時に初めて経験してみて、雲がすごい勢いで目の前にやってきて、面白いなと思ったのです。
☆でも、その時は二人で一緒にやったので、今度は一人でやりたいと本格的に始めたいと思いました。
◆初めてやった場所はどこですか。
☆ハワイです。
◆そうなんですか。
◆ハワイと日本とでは、雰囲気が違いますか。
☆違いますね。
☆ハワイはオープンな感じですね。
◆それは、広いという意味ですか。
☆そうですね、日本の場合は家が密着していて狭く、怖い感じがします。
☆でも、向こうには何もなく、自然がたくさんあるのでホッとするような、そんな雰囲気がありますね。
☆そこが違います。
◆初めての経験が広大なハワイで良かったですね。

◆そうだ、後ろにある、あれは何ですか。
◆教えてください。
☆これはパラシュートです。
☆パラシュートがふたつ入っています。
◆そうなんですか。
☆まず、下のパラシュートが開きます。
☆それが絡まった場合、そのパラシュートは捨てます。
☆そして上のパラシュートが開くのです。
◆そうなんですか。
◆パラシュートの重さはどれぐらいですか。
☆重いですよ。20kgですね。
◆そうなんですか。
◆小学生と同じぐらいの重さなんですね。
☆そうですね。
◆重いんですね。
◆これはなんですか。
☆ヘルメットですね。
☆スカイダイビング用のヘルメットです。
☆バイクだと、目のあたりしか透明になっていないですが、スカイダイビングのヘルメットの場合、透明な部分が広いのです。
◆そうなんですか。
◆見やすいんですか。
☆そうですね。
☆それと、軽いんですよ。
☆バイク用のヘルメットは重いですがこれは軽いですね。
◆バイクのと違うんですね。
☆ええ、違います。
◆なるほどですね。

◆では、次にいきます。
◆スカイダイビングを始めて良かったことは何ですか。
☆始めて良かったことですね。
☆人はふつう、歩きますよね。
☆歩くことしかできない。
☆でも、スカイダイビングだと空を飛んで自然を眺めることが出来る。
☆日本の四季を空から楽しむこともできますね。
◆そうなんですか。

◆ギネスブックに載ったんですよね。
☆そうです。
◆なぜギネスブックに載ることになったのか、説明をお願いします。
☆ギネスブックに載ったのは、実はたまたまなんですよ。
☆ギネスブックに載ることを目標にスカイダイビングを始めたわけではありません。
☆400人が集まってやるということで人が多く、危険度も高いので遠慮していたのです。
☆4人でやる、競技用のものがあるのですが、そこではフォーメーションとかを競います。
☆世界大会もあるんですよ。
☆4人で色々なフォーメーションをやるのをかっこいいと思い、難しかったのですが、他の人に引けをとらないように努力してきました。
☆その後ギネスブックのビデオを見た時、あれ?自分にもできるんじゃないかと思い、挑戦してみたらできてしまったのです。
◆4人でやる競技の方が難しいのですか。
☆そうです。難しいです。
◆ギネスブックの方が易しいということですか。
☆4人のフォーメーション競技の道を極めた人は、ギネス記録にはたやすく挑戦できます。
☆でも、ギネス記録の道を極めたからといって、4人のフォーメーションが出来るというわけではないですね。
◆4人のフォーメーションの時のチームでは増田さん以外は聴者ですか。
☆そうです、聴者です。
◆増田さん一人がろう者なんですか。
☆そうです、私一人だけです。
◆コミュニケーションはどのようにしたのですか?
☆筆談、手話ですね。
◆そうなんですか。

◆大会で優勝されたこともあるんですよね。
☆そうです。
☆2004年5月に行われた第18回フォーメーション日本選手権で優勝し、金メダルを獲りました。
◆あっ、これですか。
☆そうです。
◆すごいですね〜。
◆金メダルを獲った時、嬉しかったですか。
☆そうですね、ホッとしました。
☆8年かかりましたね。
◆8年間通ったわけですか。
☆そうです、8年間練習を続けてきました。
☆それに、毎年アメリカへ行って練習してきました。
☆1年間に5回は行っていましたね。
☆仕事を休んでアメリカへ行き、帰ってきたら仕事を再開する、というふうにスカイダイビングと仕事を両立してきました。
☆それで8年目で獲れましたね。
◆8年もかかったというと、やはり喜びも大きいんでしょうね。
☆そうです、本当です。
◆本当に良かったですね。

◆ところで、大変だったことはありますか。
☆大変だったことですね…そうですね。
☆スカイダイビングと仕事を両立させたことですかね。
◆そうでしょうね。
◆さっきもおっしゃっていたように、休みをとらなければならなかったし、金銭的にも大変だったと思います。
☆仕事の給料が少ないとやっていけないので、たくさん給料がもらえるようにがんばりましたね。
◆スカイダイビングのために、仕事をがんばるという感じですね。
☆そうですね。
◆でも、目標のために仕事をがんばる、というのはとても良いことですね。

◆では、次にいきます。
◆スカイダイビングを始めて学んだことはありますか。
☆人と人の結びつきですね。
☆信頼できるかどうか、それが大事になります。
☆自分には関係ないという姿勢でいると成長できないんですね。
☆スカイダイビングというのは一歩間違えたら死ぬものですよね。
☆だから、助け合い、フォローなど技術的な面を学ばなければならないし、学んだことに対する感謝も忘れてはいけません。
☆そういうのを積み重ねていかなければなりません。
◆そうなんですか。
◆スカイダイビングは命がけのスポーツですもんね。
◆実際にやる時、気をつけなければならないことはありますか。
◆失敗したら死んでしまうから、そうならないように気をつけることは何ですか。
☆絶対に「賭けてみる」という考え方は、いけないということです。
☆できる、100%できると思った時にやるのがいいです。
☆できるかな…と思う時はやってはいけないんです。
☆できる、と思えるまで練習をするんです。
☆積み重ねが大事なので大変です。
☆たとえば、一人で飛んで、もう一人の前に行って手をつなぐまでが大変なのです。
☆最初は、思うようにいかず、くねくねになってしまうのです。
☆一人の人と手をつなぐようになるまでに100回飛ばないといけないんです。
◆本当ですか、100回なんて多いですね…。
☆そして、10人が輪になって手をつなぐやつがありますよね。
☆くねくねにならず、まっすぐに行って手をつなげるようになるまでに、300回飛ばなきゃいけないんです。
◆ええっ、300回?
◆本当なんですか…。
☆そうなんですよ。
◆土日に行って、300回飛ぶとなると…。
◆1、2年ぐらいかかりますか。
☆いや、3年ぐらいじゃないですかね。
☆少しずつ慣れていって、3年ぐらいしたらスムーズにいけるようになりますよ。
◆基本がしっかりしていれば、次はだいぶ楽になるということですか。
☆そうです。基本は非常に大切ですね。
☆基本を身につけない人が多いですよね。
☆他のスポーツでも。
☆基本がしっかり身についていれば、上達は早いんです。
☆プロ並みになれるんですよ。
☆基本を粗末にしていると、なかなか上達できません。
◆そうなんですか。
◆基本って大切なんですね…。
◆フォーメーションを組む時、心を通い合わせることが大事とのことでしたが、それまでに衝突はありましたか。
☆ありましたよ。
◆衝突しても信頼を深めることができればフォーメーションを組むことができるということですか。
☆そうですね。
☆衝突してもうまく調整する必要がありますね。
◆そうなんですか。
◆勉強になることがたくさんありますね。

◆そして、次です。
◆将来の夢や目標はありますか。
☆今、世界記録は400人なので、プラス100人で500人でやることが目標です。
☆9月に、来年から3年の間にやるというお知らせがあったのです。
◆場所はどこですか。
☆前回と同じタイだと思います。
◆それがギネスブックに載るということですね。
☆そうです。
◆今まで色々なところでスカイダイビングをやったと思います。
☆そうです。
◆アメリカとかタイとか。
☆アメリカ、タイ、ハワイ…アメリカといっても色々な場所でやりました。
☆日本でも色々な場所でやりました。
☆北海道、石川、富山、群馬、埼玉、三重、山梨などですね。
◆その中で、好きな場所はありますか。
☆日本だと、北海道が最高ですね。
◆外国だとどこですか?
☆アメリカのフロリダですね。
☆眺めがきれいでとてもいいです。
◆そうなんですか。いいですね。

◆PRや、これをご覧になっている人たちに、何か言いたいことはありますか。
☆ろうのデフリンピックがありますよね。
☆そこでメダルを獲るのもいいですが、聴者のスポーツ大会にも挑戦してメダルを獲るろう者が増えて欲しいと思います。
☆あとはですね。
☆今、夢を持たない人が多いように感じます。
☆人間は夢があるから生きられるものだと思いますし、夢を持つことをおすすめします。
☆夢を持つだけでなく、実現する方法を考えることも大切です。
◆そうなんですか。
◆小さい時にスカイダイビングをやりたいと思っていて、それを実現させたということですよね。
◆時間がかかったと思います。
◆それでも諦めなかったんですよね。なぜですか。
☆そうですね。「できるんじゃないか」と思っていたからだと思います。
◆そうなんですか。
◆絶対にできる!と強く思っていればできるということですか。
☆そうですね。
◆そうですか、なるほどですね。
☆日本にいるろうのスカイダイバーは3人しかいません。
☆もし興味があれば来てもらいたいです。
☆スカイダイバーを増やしたいですね。
◆もっと若い人が集まるといいですね。
◆ブログとかHPとかありますか。
☆ありますよ。☆「増田光広」で検索してもらえれば見つかります。
◆全国で講演もやっているそうです。そうですよね?
☆はい、そうです。
◆興味があれば、ぜひ参加してくださいね。

◆今日は色々なことをお話していただきました。
◆自分の知らない世界…スカイダイビングという世界を知らないので、私もやってみたいなと思いました。
◆今日は本当にありがとうございました。
☆ありがとうございました。
◆最後に、かがやきパソコンスクールの新しい手話をやって頂きたいのです。
◆いいですか。
☆いいですよ。わかりました。
◆では、始めますね。いいですか。
☆はい。
◆1、2、3・・・。
◆☆「かがやき」
◆ありがとうございました。
☆ありがとうございました。